研究紹介

当研究室では、薄膜作製技術・微細加工技術を駆使して磁性薄膜・多層膜・ナノ構造体を作製しています。 それらの磁気的性質がサイズ・形状・界面境界条件によってどのように制御できるかを探り、新しい物質の 創製と新しい物性(磁性が絡んだ新奇な電気伝導性現象など)の発見を目指しています。物性測定手段とし ては、磁化測定、電気抵抗測定、メスバウアー分光、中性子回折、放射光X線散乱などを 用いています。研究の「3本柱」は以下の通りです。

新奇人工合金・化合物の探索

ナノスケールのサイズをもつ薄膜・多層膜や物質の表面・界面は、新奇な物性を示す合金や化合物が形成される 可能性を秘めた、新物質の宝庫です。このような人工ナノ物質の中から興味深い物性を示す新物質を探索しています。

薄膜・人工格子・ナノ構造体を利用した物性研究

きれいに結晶構造や磁気構造が制御された多層膜(人工格子)やナノ構造体は、物性研究のモデル物質として有用 です。例えば、界面効果を用いて磁性体のスピン構造を制御することにより、磁気モーメントの方向が連続的に回転 した「人工磁壁」を誘起することができ、磁壁に起因する磁気抵抗効果を研究する上でのモデル物質として利用でき ます。このように、人工ナノ物質をモデル物質とした物性研究を考案しています。

スピンエレクトロニクスに向けての人工ナノ物質開発

ナノスケールで構造が制御された磁性体の研究は,次世代のテクノロジーを担う重要な課題です。巨大磁気抵抗効果 (GMR 効果)の発見以来、磁性体中で物性の主役を担っている電子の持つスピン(磁気モーメント)を積極的に利用した 電子デバイスを開発しようという、「スピンエレクトロニクス」の分野が急速に発展しつつあります。このような背景のもと、 ナノスケール磁性体の構造制御による磁性制御法を確立し、その磁気的性質や伝導現象を基礎的見地から研究すること によって、磁性が絡んだ新奇な伝導性現象などの発掘を目指しています。

なお、当研究室は、日本学術振興会科学研究費補助金・基盤研究(B) 「新しい局所磁性測定法を用いた磁性積層膜における埋もれた界面機能の研究」 を推進しています。

また、日本学術振興会科学研究費補助金・基盤研究(S) 「同位体特定による局所状態解明のための先進的メスバウアー分光法開発」 (代表:京都大学・瀬戸誠教授)に参画し、磁性薄膜関連研究を分担しています。

また、文部科学省「ナノテクノロジープラットフォーム」プロジェクトの 「分子・物質合成プラットフォーム」(代表:分子科学研究所・横山利彦教授)に参画し、「名工大スマートマテリアル創成支援」(代表:名古屋工業大学・日原岳彦教授) の一環として、「メスバウアー分光支援」を担当しています。

論文リスト [PDF]